ヒルクライムSSSCでの新しい出会いを楽しんだあとは、よしざわ旅館で一夜を過ごした。学生時代のスキー合宿を思い出すような、そんな懐かしい雰囲気の宿屋だった。
翌朝は飯田から中央道で、まず甲府南まで上がる。
そこからは高速を降りて富士に向かって日本列島をちょうど半分ほど横断することになる。高速を降りてすぐ地元産品の直売所があり、こういうものを食べてみた。
もろこし+味噌+まんじゅう、という普段だったら一緒にしないものだが、旅の空気のせいか、なかなか美味しい。
そのあとはひたすらに国道358号線をくだり、
精進湖、富士山原始林や青木ヶ原、国道139号線に替わって本栖湖から朝霧高原を抜けて・・・
高原ドライブで自然を満喫したあと、いよいよ最終目的地のバンディーニに到着。
さっそく車両選びに精を出す。
5/30(土)には昔懐かしいVanquishレースが企画されているようだ。
今どきVanquishを純正デフのまま走らせるような硬派スロッターが、そんなに生き残ってるんだろうか。
バンディーニぐらいの老舗でなかったら、レースできるほどの人数を集めるのは不可能だろう。
私はレース日に来ることはできないが、せっかく私も純正デフのLola T260を持っていた。
エビスRPE当時、ハードコアなR/Cレーサーの極道スロッター柳澤Jordanさんがデフを調整してくれたので、めっぽう良く走ったものだ。
あれから8年ほど、まるっきり触っていなかったが、この日のために倉庫から発掘しておいた。
久し振りに火を入れるなら、どうしてもここを走らせておきたかった。
思い入れというのは、そういうものだ。
私たちの時代、Vanquishのデフを殺して普通の直結アクスルで、という発想は全くなかった。そもそもVanquishにデフが無かったら、ただ大柄なだけでツマラナイ鈍重車だと思う。
いや正しく言えば、デフが完調でも走って特別楽しいクルマとは感じないが。
直結ならよく走ると言っても、それはロング缶のモーター性能だけで走っているようなもの。だったらVanquishより走って楽しい車など他にいくらでもあるだろう。
要は何が言いたいか。
そのクルマの命ともいえる部分を交換してしまったら、それは一体何なのか?
たとえばVanquishからデフをとったら、それは完全に存在否定だ。それは「お前は役に立たないから死ね」と言っているようなものではないのか。
私は、モノもヒトも、否定したくない。それなりの長所をみつけて伸ばす努力を惜しみたくない。そこに生じる前向きな努力の積み重ねが、善き明日、善き人生につながったらいいなと願って生きている。
クルマひとつ、遊び方ひとつ見ただけで、そこにはその人の人生観が現れていると私は思う。
0 件のコメント:
コメントを投稿