2015年5月24日日曜日

2015.05.03 名古屋スロットカーパーク訪問

関西B級グルメを堪能し、細胞の隅々までリフレッシュ完了。
次なる目的地、名古屋に向かう。

名古屋で32スロットといえば色々あるのだが、じっくり走ろうと思ったら1軒しか立ち寄る時間がない。そんな時、いまの私だったらスロットカーパークに足が向かう。旧SW32店長だった法安(ノリヤス)さんが、いつも温かく迎えてくれます。

SW32のレジ前にまだ高辻ラリーコースがあった頃からの付合いだから、ざっと10年。月日が流れるのは早いものだと、つくづく。

そしてこの日は、さらに予期せぬ懐かしい顔が!そこに待っていた。本日のサプライズ、松阪エレノアの中山さん。


その昔、SW32で初めて出会ったとき、彼は自作の「悪魔のZ」を走らせていた。
話をしてみると訥々と口をついて出てくる言葉から、彼の誠実な人柄が伝わってきた。

私自身、S30と聞いたら黙っていられないZファンでもあり、たちまち意気投合した。

いつか神戸Curoutoでのランデブーを誓ったが、神戸Curoutoが滅亡した今ではもう、その約束は永遠に果たせない。
私が松阪エレノアを訪問したときやその後のSW32では、すれ違いで会えなかった。

最後に一緒に走ったのは、はるばる恵比寿RPEまで遊びに来てくれた2007年だった。
数えてみたら、それからもう8年も経っていた。改めて驚いたというか何というか。
そして恵比寿RPEも既に滅亡して久しく、今ではクラフトビルさえ、当時の面影は全く残っていない。

しばし会わなかった間の話に花が咲いたあと、折角だから久し振りに一緒に走りたくなった。

自然に、二人ともケースからミウラを出す。それはAUTOartのツルシのままではなく、満足いく走りのため、お互い独自の方法で手を加えていた。

しかしモーターを何に替えたとか替えてないとか、やれホイールだタイヤだ、ゴムだのウレタンだの。あそこをどうしたココをこうした、何秒で走るだのとは、実際なにひとつ互いに尋ねあうこともなく。

だが、そこには確かにテレパシーが介在していたとしか思えない。

大体こんな不人気なAaミウラなんか持ち歩いているスロッターは今どき、いない。私だって、普段はケースに入れてるはずがないのだ。妻の走らせる車がないから。まして中山さんとは、今日ここで待ち合わせの約束をしてるわけではなかった。今日ここにいることさえ互いに知らなかったのだから、驚きは尚更だった。

事前の約束もなく8年ぶりに会って、ただ無口に車をコースに置き、セッションした映像がこれだ。



尺は適当につまんだが、元はワンカットの長回し撮影。撮影はイガ師匠に任せ、二人で走っている様子を適当に撮ってもらった。実は走っている間はまるっきり意識もしてなく、気付いていなかったが、あとで動画を見たら、完全にシンクロしている。コーナリングのタメ具合までも、まるで一緒にワルツを踊っているようだった。

最後はレーンと装備をまるごと、お互いに交換して走ってみる。まるで、互いに相手のダンスシューズの具合を確かめるように。だいたいの調子が掴めたら、再び一緒に合わせて踊ってみる。絵柄が中年オヤジ2人なので華麗でも優雅でもないが、気持ちがシンクロしているとこういう走りになった。

気持ちがシンクロしたバトルという走り方もあるが、今回のような伴走は、やはり中山さんの優しい性格から来るものだと思う。実のところ、車を替えて走ってみると中山さんのオレンジは私のゴールドよりも、かなり速い車だった。たぶん中山さんは最初の動きだしから一瞬で見抜いて、私に合わせて一緒に走ってくれていたのだろう。

実車も同じだが、その人の性格は、やはり走りに現れるものだ。

2015年5月14日木曜日

2015.04.30 大阪Sakky'sサーキット訪問

ゴールデンウィークを利用して、久し振りの関西B級グルメツアーに出かけた。

私に限らず、関西以外の土地で暮らす関西人というのは不便なものだ。最低でも年に1回は地元の肉と粉をチャージしないと、細胞から大阪成分が抜け切ったら死んでしまう。


まあ下の画像と同じように、ご自分の人差し指の厚みを確認してみてほしい。どれだけ分厚い肉か、お分かりだろうか。
この焼肉屋は超有名だが別に行列ができるわけでもないし、この肉だって並ロース。


東京はうどん文化でなくそば文化の国だと思っていたが東京にはなかった、あつ山の蕎麦。かつ丼も甘くない玉子とじ。





こういうのが Soul Food というものなんだろう。それは「懐かしいふるさとの味。これだよこれ!」みたいな次元では、もはやない。
細胞が欲するというか、吸収率が違うというか。

去年から趣味のダイエットを始めて以来、体組成計に毎日のっている。大阪に着いた瞬間から腹一杯に肉と粉を詰め込んでいるのに、むしろ数値が大幅に好転していた。関東と関西で、地磁気の違いがこんなに影響するだろうかと心配になるほどの違いだ。東京生まれ東京育ちのイガまで数値が変化していたので、そんなことを考えたのだった。

そして関西に帰ったら当然、摂津のサッキーズにも顔を出す。その日は営業日ではなかったが、夫婦でお伺いする話をすると、快くコースをopenして下さった。本業のほうでも大変忙しい年上の友人だが、有難いことだ。神戸Curoutoなきあと、関西でああいう雰囲気の32中級テクニカルコースといえば、日本中を見回してもここしかないだろう。

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◆Pink-kar Bugatti
日時: 2015.4.30@大阪Sakky's Collections
車種: Bugatti type 59
仕様: ノーマグ+ウエイト、純正アクスル/ホイール/タイヤ(TRなし)    



スピードの乗り加減とブレーキのタイミング、クロスレーンとコーナーの連続するリズム、そして集電のムラまでも。ここをジックリ走り込んだ地元レーサー以外では、そう簡単に攻略できないように出来ています。そこがまた、面白い。

こんな楽しいコースを年に1回2回ぐらいしか訪問できないのだから、18秒未満でイッキに駆け抜けてしまうのは勿体ない。せっかくのレイアウトを風景と一緒に味わいながら走るには、こんな戦前のレースカーも似合う。


これは2006年当時、RP恵比寿でブガッティパーティが開催されたときの参加車両だった。


2015年3月30日月曜日

2015.03.28 国産旧車クルージング

桜の蕾がほころび、先週末から巷の話題は花見一色だ。
そんなウララカな土曜、久し振りに大和のビッグバンへ行ってきた。

ビッグバンでは、いつもカレラ製プラコースのほうで遊んでいる。
会員価格なら、プラコース1日走行券がカップル2名分で2500円とリーズナブル。

入店してまもなく。
ウッドコースのほうで遊んでいた常連さんの中から一人、おもむろに立ち上がってこちらに近付いてくる。
大和には決まったお友達がいないので、珍しいことだな・・・と思ったら。

「Nightbirds_Flyさんでしょう、いつもブログ見てますよ」と気さくに声を掛けていただいた。

・・・・・。(汗)

昔mixiで日記を書いていた頃と違って、今のBloggerには記事も多くないのに、そんな風に言っていただき大変恐縮する。

そのうえ、私と妻にプレゼントまで頂いた。アルマイトの重厚な車検台。
車検台は何枚あっても困らない、スロッターの必需品だ。ありがとうございます。


お名前は加藤さん。聞けば金属加工の仕事をしているとのこと。
店内の皆さんからは 「その車検台もらったら、あなたも加藤ファミリーの一員ですな」 と冷やかされる。

・・・ あのー、、昔から組に属して上納金というのは払えない体質ですので ・・・
NbF夫婦は「自主独立系」ということで、今後とも宜しくです。。

加藤さんは、古くから1/24もやっていたとのこと。
我々の姿は、ちょくちょく伴野さんのところで目撃されていたようだ。

家に帰ってビッグバンのHPをよく見ると、2009年からのレースリザルトが載っていた。加藤さんはSlot-itレースほか優勝入賞多数。華々しい経歴をお持ちのレーサーなのだった。
なるほどな・・・と合点がいった。仕事で金属加工をやっているスロットレーサー。ならば日々の仕事で培った技術で、何か名刺代わりの品を・・・と思ったら車検台はピッタリのアイテムだろう。

一人前のスロッターなら誰だって必ず、よい車検台が必需品だ。スロットカーを知らない人には 「たかがアルミ板1枚」 のヤリトリでしかないものだが。
スロッター同士にとっては、お互いの心をつなぐジョイントプレートだ。使うたびに、その人のことを思い出すでしょう。

まして、お手製の車検台なら、なおさら。作った人の心までもが一緒に伝わってこよう。ちゃんとスロッター目線で考えられた名刺代わりのアイテム。そして、しっかり自己紹介にもなっているという、目のつけどころと心遣いがニクイ。

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◆国産旧車GT
日時: 2015.03.28@大和Big Bang
車種: スカイラインGT-R、フェアレディ240Z
仕様: ノーマグ+ウエイト、Slot-itアクスル/ホイール/タイヤ(2)
    Zinkシャーシ改(GT-R)、DJC鮫シャーシ改(240Z)、
    野本製作所アリイkitボディ



こちらの2台は大昔のエビス時代、スーパー32レースをやるとき野本さんが作ってくれたZとGT-Rだ。
当時マグ付きヘビー級のプラフィットレーサーとして、激しいレースと激しいクラッシュで全損廃車。
何年か前に軽い樹脂シャーシに交換し、事故で激しく損傷したボディを、適当にレストア。
奇才DJCさんが製作した往年の名作「鮫シャーシ」に、標準的な18kモータでまったりと余生を送らせていた。

いわば一番楽しかった時代の思い出をギュッ!と圧縮して形にしたのが、この2台。
野本さんからもDJCさんからも 「まだそれ走らせてんの!?」 とあきれられるが、こればかりは仕方ない。
人の手と心が込められたものは駄目になったからといって、とても簡単には捨てられない性格だ。

私にとって思い出というのは、そういうものだ。
だから作った本人からあきれられても仕方なくでも、とにかくレストアして走らせ続けている。

缶スプレーで黒を吹いたZの鮫シャーシは何度かサバ折りになりましたが、修理していまだ健在。
しかし無塗装の生地白だったGT-Rのシャーシは、何度かサバ折りになったあと全体が脆くなり廃棄した。
タミヤのプラ板はオイルや衝撃に弱く、吸湿性も多少あるかもしれない。

Rのほうは、また同じプラ板シャーシで作り直すのでは芸がないし。
かといってスバル360で作ったABS板+Slot-itマウントでZより速くなりすぎたら困るし。。
結局Zink製のアリイ用シャーシに興味もあり、サイドマウントでなく普通のネジポスト式マウントに変更して使用した。

2台の重量差はかなりありますが、うまく走らせれば同じようなタイムで走れる。
どちらもFLYの911をターゲットにした性能で作ってあり、状況によっては911に勝てる。
その程度のリアリティを担保して作ったものだ。

いくら思い入れが強いとはいえ、これら国産2台が911に常勝するほどの速さは与えない。
たとえお遊びであっても、その程度のリアリティは必要。

ごっこ遊びの境界線は皆それぞれの基準や価値観があって、ひとくちに「こうだ」と決めつけることはできない。
しかし私たち夫婦にとっては、非現実すぎるのは興ざめ以外の何物でもないのだよ。

2015年2月14日土曜日

2015.01.31 SRCのB面チューニング

今年に入ってSRCのBコースは改修が進み、プレOPENのお試しご招待を頂いた。

さっそく走行チェックと通電確認など微調整チューニングを兼ねて、カレラのフェラーリF138で走ってみた。

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◆カレラF1
日時: 2015.01.31@千葉SRC
車種: Ferrari F138
仕様: ノーマグ、ノーウエイト、純正プラホ+純正ラバー接着TR




このF1は到着から半年間、夫婦でたっぷり楽しんできた。最初は硬かったタイヤも日本各地のサーキットを駆け抜け、ところどころ部分的に皮が薄くなってエアータイヤとなり、ゴム自体も微妙に溶けかけている。

そろそろ引退予定だったが、グリップが落ちタイムが落ち、モーターもへたってきたところで、ようやくハンドリングとバランスしてきたような気がする。バランスしてきたというか、単に蹴り出しが弱くなったおかげでプッシングアンダーが減っただけかもしれない。

走らせにくいクルマってとこは、1ミリも変わらないが相変わらず、なかなか挑み甲斐があるマシンだぜ!・・・ってことにしとくか。

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◆SCX Classic (EXIN)
日時: 2015.01.31@千葉SRC
車種: Seat 850 coupe
仕様: ノーマグ、ウエイト、純正プラホ+純正ラバー接着TR



こちらはF1とは正反対のレトロ車両で同じコースを走ったら、というオマケ映像。共通点としては、どちらも超~~走らせにくいクルマ。カウンターが間に合わないと、即スピン!みたいなハンドリングで、カレラF1のほうがマイルドな操縦性と感じるほどだ。

しかし「カミソリのような鋭さ」って、アンダー1000ccのこんな遅い旧車に使いたくない形容だね。

実際そういう許容しないハンドリングといったら、昔のスロットカーというのは全般的にメチャクチャ手ごわいものだ。フロントアクスルが上下前後左右に全遊動式。リヤも同じく、アクスルブッシュの中であちこち勝手放題に遊動。しかもピンガイドのこういう車なんか、もう・・・大変という言葉では足りない。
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そのままでイマドキの普通のSCXあたりと一緒に走ろうと思ったら無理で、それはそれは大変な走り。どういう大変さかは、、、自分で買って走らせた人だけが知っていればよいことだ。経験ない人に何でもかんでも上っ面で情報だけ共有するのは害悪だと思っている。

ガイドブレードがブラシごと首を振る、という進歩がどれだけ有難いことか、よく分かる。ふだん同じイマ車を走らせて遊んでいても、そういうことを知っている人と知らない人は、考え方も行動も違って当然。「なぜ、こうなのか」 の芯が分かっていれば、パーツなんか替えなくても調律としてのチューニングだけで、ある程度は速くなるものだ。

タイヤの進化だって、そうだ。オモチャだから、たかがラバーのムクだが、時代によって幅や素材が変わっている。それは「当たり前」という言葉の内容が昔と今では丸っきり違うんだよ、ということだ。実車と同じように、そういう時代の変化が実際のハンドリングでも追体験できる。

オモチャは所詮どこまでいっても実車の似姿でしかないが、作った人の気持ちが垣間見えるときがある。そんなところが感慨深く、かつ愛おしいと思う。

2014年12月31日水曜日

2014.12 今年の走り納め

今年は暮れまで飽きもせず、夫婦でストック&ノーマグノーウエイトのカレラF1を走らせていた。このクルマは今まで培ったレーステクニックを総動員しても、これ以上ないというぐらい走らせにくかった。しかし、それは元々の設計がそうなっているので仕方ないことだ。それでもストックで走らせたいのだから、そこだけは購入する前から諦めて覚悟して遊んでいる。



何故そんなことをやって、遊んでいるのか。

あちこち訪問してはこんな不人気車を走らせていると、やはりよく質問される。

しかし、「今これを走らせたいから」としか言いようがない。好きだから好き、と言ってるのと同じだ。

女性でもクルマでも趣味でも同じで、好きになった理由などは赤の他人に分からせようと力説すればするほど、だんだん恥ずかしい話になっていく。分かる人は聞かなくても想像つくし、想像つかない人に言葉を沢山つかって説明するのは無駄以外の何物でもない。

あなたが見ていてもし何かを感じたとしたら、理由は勝手に想像してもらえば、それでよいと思う。この歳になっても、他人のことを「本当に理解した」と言い切れるほどの正解なんて、ついぞ身に付かなかった。所詮この世の人付き合いなどは全て、単に自己の勝手な思い込みを他人に投影しているだけ。

しかし、いくら走りにくいと言ってもホイールやタイヤ、ガイドやモーター、ギヤなどを交換したり改造して、もっとラクしたいとか他人より速くしたいとか、そういうのは私が今やりたいこととは全く別の遊びだ。

言いたいのは、本来そんな車がやりたかったら、Slot-itかNSRがあるだろう。カレラみたいな改造しにくい子供向け玩具を、わざわざSlot-itモドキやNSRモドキみたいな奇形車に作り変える必要はないし、それではカレラだって可哀想だろう。

実際のスピードなんか遅くても、全然かまわない。それは、私たち夫婦の頭の中では時速300キロを超えてるから。コースだって部分によってUKシルバーストーンだったりTXオースティンだったり、脳内で合成された風景が見えている。

スロットカーは極めてバーチャルなゴッコ遊びだと思う。いわばプロジェクションマッピングみたいなもの。1/32のミニカーとコースに、知識と経験と思い入れで補正をかけた脳内イメージを投影できる人でないと、実際のスピードに関係なくノーマル玩具でゴッコ遊びを楽しむなんてことは不可能だと思います。

2014年10月17日金曜日

2014.10 秋の日帰り旅行

群馬のホビーショップTOSCO、関越道の沼田インターから程近く、わりと分かりやすい場所にあった。地図で沼田高校を目指していくと、ちょうどその向かいにある建物の2階だ。2014年に新しくオープンしたお店と聞いたが、既に常連さんも定着しているようだ。

中には早くも、改造FF車に挑戦している方がいたり。
まあ誰もが一度は通る道だねこれは。

作ってみればFF車というものへの理解が深まることと思う。そして実車とオモチャの違いもよく分かるはずだ
実車では世界中でFF全盛なのに、なんでスロットカーでFF車は成功しないのかということが。

何でも実際にやってみて考えることにより、単なる知識が血肉を伴って理解できると思う。

同じように32スロットカーを始めたばかりの頃の自分を思い出し、微笑ましく感じた。

コントはデジタルが主流らしく、比較的高価な京商の無線コントも、既に普通に使われていた。しばらく様子を見て、レーン空いた時間帯でコースデビュー。最初はクセのない旧車で様子をみる

まずは自作系のハコスカGTR240Zで、路面の状態をチェック。なるほど、いい感じのコースだな。。しかし、もうちょっと速い車の方がコーナーの特性を探れそうか・・・などと考え事をしながら

そして何気なく、ずっとケースに入れっ放しのNSRアバルト手に取ってみた。

酒々井SRCでも思い出したときに時々走ってみる程度の車だが、走るたびに「そろそろメンテだな」と思う1台。しかしハズレ車ゆえにイマイチ愛着が湧かず、いつも放りっぱなしの車だった。


数周ほど走ってみて、やはりどこで走っても、同じように気持ちよくないクルマだなと再確認。アバルトから別の車に交代しようと思ったその瞬間だった。

突然、「おお、アバルトなら皆んな持ってますよ。レースやろう!」と声が掛かる。

・・・まぁ〜大して好きでもないクルマを、頼まれもしないのに自分から出して走らせていたのだから、これは仕方ない。それに地元レーサー側からすれば、わざわざやって来た私たちがどれほどの腕前かと、興味津々で見ていたことと思う。

そういう、目を皿にして様子見をしている時間帯に出してきたクルマがこれだ。ハタから見たら、私がアバルトを気に入っていて自信もあるのだろうと受け取られて当然だった。

スロットカー遠征では常に、いきなり始まる他流試合への心構えが必要だ。まして彼の地は例のファンタジー峠ドリフトバトル漫画で名高い北関東、赤城/妙義/榛名のお膝元バリバリな群馬県だ。

お声が掛かった以上は、相手の仕様をあれこれ尋ねたり、言い訳をして逃げるのは失礼にあたる。まずは黙ってありがたく一緒に遊んでいただくのがスジだ。

しかるのち、どんな仕様かとかどんな経験を積んできたのか、などと話が弾むかどうかは戦い方と相手の負けず嫌い具合と懐の深い浅いにより様々だと思う。

それなりに地元ローカル勢とのスパーリング相手が務まれば、晴れて走り仲間として認められたと思ってよいだろう。久し振りに大汗と冷や汗をかいたが、同時に爽快感もたっぷり。トスコの皆さん、ありがとうございました。

そのあとスケレBMWミニ、FLYGr.5とかクラシックFunCupビートル、SCXモーガン、NSUやらセブンまで色々走らせた。そして、最近気に入ってあちこちで走らせているカレラのDTMF1も、やはりここで走らせたい。

今回DTMではなく、できればF1の動画を撮りたいと思っていました。
群テレ取材のトスコYoutube動画を見たときから、気分はすっかりF1バレンシアか、ソチか、ってな具合。

しかし、カレラF1で走り始めると、またしてもギャラリーに何やらザワメキが。。

背後から、ポツリと声が掛かった。
「それって、RBなにでしたっけ?」

むむっ、デキる。そして、よく見ている。
今のF1をよく知らない人にはサッパリ分からんだろうけど。

カレラは横着なスケレと違ってF1をちゃんと年式違いフォルム違いでモデルアップしている。そしてフェラーリとレッドブルだけは毎年、前シーズンの型遅れで20111213年式と出ている。RBとはレッドブルのことで、各年式の型式名がRB789だ。

つまり、いまコース上を走っているのはいつの年式のカレラF1レッドブルかと質問しているのだ。私が走らせている最新フェラーリのF138ではなく、イガ師匠のRB9への質問なのは、少々残念だが。

振り向くと、メガネの向こうの眼光キラリと鋭いひとりの男。
それをキッカケに、他数名の男達にも取り囲まれ、質問責めにあう。

なるべく分かりやすく答える努力をした。

◆ 私たち夫婦は2007年以降、新旧様々なメーカーのF1を、ノーマグで走らせ続けてきたこと。


◆ 2014年はノーマグノーウエイトに純正アクスルと純正タイヤが、自分縛りのテーマであること。


◆ ハズレない車づくりの追求よりは、ハズさない走り方のほうに、より興味が引かれるということ。


◆ 削ろうと削るまいと、タイヤができるまでには、やはり相当量の走り込みが必要であること。

すると、また驚かされた!まず、そこにいた地元のメンバーさん達が、事前に約束していたわけでもないのに3人もカレラF1を持ち歩いてる、というだけで充分な驚きだったが。

F1といえばモータースポーツ世界のトップカテゴリーだ。実際の車両自体も、かなり特殊。ちょっと腕に覚えがある、ぐらいな一般人では発進できないかコースで即スピンするような車だ。

だから元がいくら子供のオモチャとはいえ、スロットカーのほうだって、おいそれと初心者でも楽に走れるようでは情けない。それよりマシンをコース上にとどめることさえ困難なほど、ただ走らせるのでさえ思いっきり難しいぐらいがF1ゴッコとしては達成感があるだろうと思う。

「なので私が目指しているのは日本で一番キビシイ、カテゴリーです」という言葉に火が付いたか。それで諦めるかと思ったら、やおら皆さん磁石をはずし始めた。

なんという男たちだろう! こんな話の早い連中は、初めてだ。さすがは群馬。見ていると、何周かいろいろトライしてみて、早くもタイヤを削り始めたカンのいい人もいる。

やたら気楽にトバしている車も1台あったが、たぶんカレラF1には磁石が2箇所あることを知らず、アクスル下の1個がまだ残っているのだろう。
タイヤをトゥルーイングしてないノーマグカレラF1が、ウエイトも乗せないで最初からそんなに走りがよいというのは、大体そのパターンだ。
本当に磁石を全部はずしたら、そんな気軽で簡単に走れるような甘いシロモノでは決してないのだ。

見ていてあまりに走りがよいので、借りて走ってみたら、やはりそうだった。磁石って本当に有難いのだ。これこそ文明の進歩と思う。

しかし、ここで私があんまり厳密に目くじら立てて、せっかくのノーマグ気分に水を差すのは野暮というもの。そこは、今後いつか周りで気付いたメンバーさんが、やんわり教えてあげればよいだけのことと思い、私からは言わないようにした。

そんなことよりまずは皆んなでワイワイ遊んで、わざわざキビシイ車を作って走らせる難しさ面白さという世界を知ってもらいたかった。

トスコの皆さんは、なかなか楽しませてくれる。
そのあたりを、動画に撮ってみました。その場の楽しさが少しでも、伝わればいいな
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◆カレラF1
日時: 2014.10.12@沼田TOSCO
車種: Ferrari F138、RedBull RB9、ほか
仕様: ノーマグ、ノーウエイト、純正プラホに純正ゴムタイヤ接着&真円出し。

2014年9月27日土曜日

2014.09 温故知新

大和のビッグバンは、たしか2006年頃にOpenしていたと思う。関東で唯一カレラコースを組んでいた巣鴨さかつうを別にすれば、当時バンプロ系32ウッドコースとしては最初に恵比寿があり、そのあと港北、等々力、大和、東雲、銀座が近い時期に相次いでオープンしたため、正確にどこがどの順番だったかというのは、コース設営したバンプロ以外では知る由もない。

どこも全て現在進行形で体験したが、浦安から一番遠かった大和だけは、今年まで訪れる機会がなかった。もともとSCJタイプ1というコースは港北ミナモにあり、さほど気持ちよさを感じないレイアウトだった。だから、わざわざそれと同じレイアウトを走るために遠くまで行く気にはならなかったのだ。

結局恵比寿や港北や巣鴨は姿を消してしまったが、今でも大和が続いているのは立派なことだと思う。流行り廃りの早い業界では、いまや銀座、東雲と並んで老舗の1軒になったといってよいだろう。

初めて訪問したときは、交通アクセスを調べるため事前にビッグバンのwebサイトを見て行った。プラコースの画像があり、走行イメージを想像しつつ訪問したが、実際に走ってみたら少し印象が変わった。ウッドのSCJタイプ1ではなく、カレラ製プラコースのほうの話だ。

まず路面は、皆さんタイヤに気を使っているのか、しっかり乾いており変なテカリが出ていない。これはいいな、と好感を持った。

何周か走ってみると独特のリズム感があって、それを掴めばキレイに走らせることができる。こういうレイアウトのコースは、速さを追求して金魚走りをするよりも、気持ちよくキレイに駆け抜けたいものだ。

言葉で表現するのはちょっと難しいので、コース紹介になるような動画を撮ってみた。

最近カレラDTMは全国的に人気が出てきたようだ。皆さん、意外と気になってたんだろうか。大和でも1日のうちに白M3を2台と白黄A5を1台見かけた。こんなにあちこちのサーキットでカレラを目撃したことは、過去なかった気がする。
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◆カレラDTM
日時: 2014.09.23@大和Big Bang
車種: BMW M3、Audi A5
仕様: ノーマグ、ノーウエイト、純正プラホに純正ゴムタイヤ接着&真円出し。



まだ大和に行ったことがない人にも、何となくコースの感じを掴んでもらえたらいいなと思う。