2014年12月31日水曜日

2014.12 今年の走り納め

今年は暮れまで飽きもせず、夫婦でストック&ノーマグノーウエイトのカレラF1を走らせていた。このクルマは今まで培ったレーステクニックを総動員しても、これ以上ないというぐらい走らせにくかった。しかし、それは元々の設計がそうなっているので仕方ないことだ。それでもストックで走らせたいのだから、そこだけは購入する前から諦めて覚悟して遊んでいる。



何故そんなことをやって、遊んでいるのか。

あちこち訪問してはこんな不人気車を走らせていると、やはりよく質問される。

しかし、「今これを走らせたいから」としか言いようがない。好きだから好き、と言ってるのと同じだ。

女性でもクルマでも趣味でも同じで、好きになった理由などは赤の他人に分からせようと力説すればするほど、だんだん恥ずかしい話になっていく。分かる人は聞かなくても想像つくし、想像つかない人に言葉を沢山つかって説明するのは無駄以外の何物でもない。

あなたが見ていてもし何かを感じたとしたら、理由は勝手に想像してもらえば、それでよいと思う。この歳になっても、他人のことを「本当に理解した」と言い切れるほどの正解なんて、ついぞ身に付かなかった。所詮この世の人付き合いなどは全て、単に自己の勝手な思い込みを他人に投影しているだけ。

しかし、いくら走りにくいと言ってもホイールやタイヤ、ガイドやモーター、ギヤなどを交換したり改造して、もっとラクしたいとか他人より速くしたいとか、そういうのは私が今やりたいこととは全く別の遊びだ。

言いたいのは、本来そんな車がやりたかったら、Slot-itかNSRがあるだろう。カレラみたいな改造しにくい子供向け玩具を、わざわざSlot-itモドキやNSRモドキみたいな奇形車に作り変える必要はないし、それではカレラだって可哀想だろう。

実際のスピードなんか遅くても、全然かまわない。それは、私たち夫婦の頭の中では時速300キロを超えてるから。コースだって部分によってUKシルバーストーンだったりTXオースティンだったり、脳内で合成された風景が見えている。

スロットカーは極めてバーチャルなゴッコ遊びだと思う。いわばプロジェクションマッピングみたいなもの。1/32のミニカーとコースに、知識と経験と思い入れで補正をかけた脳内イメージを投影できる人でないと、実際のスピードに関係なくノーマル玩具でゴッコ遊びを楽しむなんてことは不可能だと思います。

2014年10月17日金曜日

2014.10 秋の日帰り旅行

群馬のホビーショップTOSCO、関越道の沼田インターから程近く、わりと分かりやすい場所にあった。地図で沼田高校を目指していくと、ちょうどその向かいにある建物の2階だ。2014年に新しくオープンしたお店と聞いたが、既に常連さんも定着しているようだ。

中には早くも、改造FF車に挑戦している方がいたり。
まあ誰もが一度は通る道だねこれは。

作ってみればFF車というものへの理解が深まることと思う。そして実車とオモチャの違いもよく分かるはずだ
実車では世界中でFF全盛なのに、なんでスロットカーでFF車は成功しないのかということが。

何でも実際にやってみて考えることにより、単なる知識が血肉を伴って理解できると思う。

同じように32スロットカーを始めたばかりの頃の自分を思い出し、微笑ましく感じた。

コントはデジタルが主流らしく、比較的高価な京商の無線コントも、既に普通に使われていた。しばらく様子を見て、レーン空いた時間帯でコースデビュー。最初はクセのない旧車で様子をみる

まずは自作系のハコスカGTR240Zで、路面の状態をチェック。なるほど、いい感じのコースだな。。しかし、もうちょっと速い車の方がコーナーの特性を探れそうか・・・などと考え事をしながら

そして何気なく、ずっとケースに入れっ放しのNSRアバルト手に取ってみた。

酒々井SRCでも思い出したときに時々走ってみる程度の車だが、走るたびに「そろそろメンテだな」と思う1台。しかしハズレ車ゆえにイマイチ愛着が湧かず、いつも放りっぱなしの車だった。


数周ほど走ってみて、やはりどこで走っても、同じように気持ちよくないクルマだなと再確認。アバルトから別の車に交代しようと思ったその瞬間だった。

突然、「おお、アバルトなら皆んな持ってますよ。レースやろう!」と声が掛かる。

・・・まぁ〜大して好きでもないクルマを、頼まれもしないのに自分から出して走らせていたのだから、これは仕方ない。それに地元レーサー側からすれば、わざわざやって来た私たちがどれほどの腕前かと、興味津々で見ていたことと思う。

そういう、目を皿にして様子見をしている時間帯に出してきたクルマがこれだ。ハタから見たら、私がアバルトを気に入っていて自信もあるのだろうと受け取られて当然だった。

スロットカー遠征では常に、いきなり始まる他流試合への心構えが必要だ。まして彼の地は例のファンタジー峠ドリフトバトル漫画で名高い北関東、赤城/妙義/榛名のお膝元バリバリな群馬県だ。

お声が掛かった以上は、相手の仕様をあれこれ尋ねたり、言い訳をして逃げるのは失礼にあたる。まずは黙ってありがたく一緒に遊んでいただくのがスジだ。

しかるのち、どんな仕様かとかどんな経験を積んできたのか、などと話が弾むかどうかは戦い方と相手の負けず嫌い具合と懐の深い浅いにより様々だと思う。

それなりに地元ローカル勢とのスパーリング相手が務まれば、晴れて走り仲間として認められたと思ってよいだろう。久し振りに大汗と冷や汗をかいたが、同時に爽快感もたっぷり。トスコの皆さん、ありがとうございました。

そのあとスケレBMWミニ、FLYGr.5とかクラシックFunCupビートル、SCXモーガン、NSUやらセブンまで色々走らせた。そして、最近気に入ってあちこちで走らせているカレラのDTMF1も、やはりここで走らせたい。

今回DTMではなく、できればF1の動画を撮りたいと思っていました。
群テレ取材のトスコYoutube動画を見たときから、気分はすっかりF1バレンシアか、ソチか、ってな具合。

しかし、カレラF1で走り始めると、またしてもギャラリーに何やらザワメキが。。

背後から、ポツリと声が掛かった。
「それって、RBなにでしたっけ?」

むむっ、デキる。そして、よく見ている。
今のF1をよく知らない人にはサッパリ分からんだろうけど。

カレラは横着なスケレと違ってF1をちゃんと年式違いフォルム違いでモデルアップしている。そしてフェラーリとレッドブルだけは毎年、前シーズンの型遅れで20111213年式と出ている。RBとはレッドブルのことで、各年式の型式名がRB789だ。

つまり、いまコース上を走っているのはいつの年式のカレラF1レッドブルかと質問しているのだ。私が走らせている最新フェラーリのF138ではなく、イガ師匠のRB9への質問なのは、少々残念だが。

振り向くと、メガネの向こうの眼光キラリと鋭いひとりの男。
それをキッカケに、他数名の男達にも取り囲まれ、質問責めにあう。

なるべく分かりやすく答える努力をした。

◆ 私たち夫婦は2007年以降、新旧様々なメーカーのF1を、ノーマグで走らせ続けてきたこと。


◆ 2014年はノーマグノーウエイトに純正アクスルと純正タイヤが、自分縛りのテーマであること。


◆ ハズレない車づくりの追求よりは、ハズさない走り方のほうに、より興味が引かれるということ。


◆ 削ろうと削るまいと、タイヤができるまでには、やはり相当量の走り込みが必要であること。

すると、また驚かされた!まず、そこにいた地元のメンバーさん達が、事前に約束していたわけでもないのに3人もカレラF1を持ち歩いてる、というだけで充分な驚きだったが。

F1といえばモータースポーツ世界のトップカテゴリーだ。実際の車両自体も、かなり特殊。ちょっと腕に覚えがある、ぐらいな一般人では発進できないかコースで即スピンするような車だ。

だから元がいくら子供のオモチャとはいえ、スロットカーのほうだって、おいそれと初心者でも楽に走れるようでは情けない。それよりマシンをコース上にとどめることさえ困難なほど、ただ走らせるのでさえ思いっきり難しいぐらいがF1ゴッコとしては達成感があるだろうと思う。

「なので私が目指しているのは日本で一番キビシイ、カテゴリーです」という言葉に火が付いたか。それで諦めるかと思ったら、やおら皆さん磁石をはずし始めた。

なんという男たちだろう! こんな話の早い連中は、初めてだ。さすがは群馬。見ていると、何周かいろいろトライしてみて、早くもタイヤを削り始めたカンのいい人もいる。

やたら気楽にトバしている車も1台あったが、たぶんカレラF1には磁石が2箇所あることを知らず、アクスル下の1個がまだ残っているのだろう。
タイヤをトゥルーイングしてないノーマグカレラF1が、ウエイトも乗せないで最初からそんなに走りがよいというのは、大体そのパターンだ。
本当に磁石を全部はずしたら、そんな気軽で簡単に走れるような甘いシロモノでは決してないのだ。

見ていてあまりに走りがよいので、借りて走ってみたら、やはりそうだった。磁石って本当に有難いのだ。これこそ文明の進歩と思う。

しかし、ここで私があんまり厳密に目くじら立てて、せっかくのノーマグ気分に水を差すのは野暮というもの。そこは、今後いつか周りで気付いたメンバーさんが、やんわり教えてあげればよいだけのことと思い、私からは言わないようにした。

そんなことよりまずは皆んなでワイワイ遊んで、わざわざキビシイ車を作って走らせる難しさ面白さという世界を知ってもらいたかった。

トスコの皆さんは、なかなか楽しませてくれる。
そのあたりを、動画に撮ってみました。その場の楽しさが少しでも、伝わればいいな
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◆カレラF1
日時: 2014.10.12@沼田TOSCO
車種: Ferrari F138、RedBull RB9、ほか
仕様: ノーマグ、ノーウエイト、純正プラホに純正ゴムタイヤ接着&真円出し。

2014年9月27日土曜日

2014.09 温故知新

大和のビッグバンは、たしか2006年頃にOpenしていたと思う。関東で唯一カレラコースを組んでいた巣鴨さかつうを別にすれば、当時バンプロ系32ウッドコースとしては最初に恵比寿があり、そのあと港北、等々力、大和、東雲、銀座が近い時期に相次いでオープンしたため、正確にどこがどの順番だったかというのは、コース設営したバンプロ以外では知る由もない。

どこも全て現在進行形で体験したが、浦安から一番遠かった大和だけは、今年まで訪れる機会がなかった。もともとSCJタイプ1というコースは港北ミナモにあり、さほど気持ちよさを感じないレイアウトだった。だから、わざわざそれと同じレイアウトを走るために遠くまで行く気にはならなかったのだ。

結局恵比寿や港北や巣鴨は姿を消してしまったが、今でも大和が続いているのは立派なことだと思う。流行り廃りの早い業界では、いまや銀座、東雲と並んで老舗の1軒になったといってよいだろう。

初めて訪問したときは、交通アクセスを調べるため事前にビッグバンのwebサイトを見て行った。プラコースの画像があり、走行イメージを想像しつつ訪問したが、実際に走ってみたら少し印象が変わった。ウッドのSCJタイプ1ではなく、カレラ製プラコースのほうの話だ。

まず路面は、皆さんタイヤに気を使っているのか、しっかり乾いており変なテカリが出ていない。これはいいな、と好感を持った。

何周か走ってみると独特のリズム感があって、それを掴めばキレイに走らせることができる。こういうレイアウトのコースは、速さを追求して金魚走りをするよりも、気持ちよくキレイに駆け抜けたいものだ。

言葉で表現するのはちょっと難しいので、コース紹介になるような動画を撮ってみた。

最近カレラDTMは全国的に人気が出てきたようだ。皆さん、意外と気になってたんだろうか。大和でも1日のうちに白M3を2台と白黄A5を1台見かけた。こんなにあちこちのサーキットでカレラを目撃したことは、過去なかった気がする。
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◆カレラDTM
日時: 2014.09.23@大和Big Bang
車種: BMW M3、Audi A5
仕様: ノーマグ、ノーウエイト、純正プラホに純正ゴムタイヤ接着&真円出し。



まだ大和に行ったことがない人にも、何となくコースの感じを掴んでもらえたらいいなと思う。

2014年8月24日日曜日

2014.08 夏の西方遠征

スロットカーを始めて今年で10年目となったが、自分でスロットカーの動画を撮り始めたのは、ようやく今年になってからだ。

今年の春に新生Bandiniを再訪したあと、改めて自分達の足跡を振り返る機会があった。そのとき膨大なジャンクを含むスロットカーの他には、思い出をカタチとして残してきたものがあまりにも少ないことに気付き、愕然とした。

たった10年足らずとはいえ、スロットカーに出会ったおかげで私たち夫婦は各地で沢山の人達と交流し、一緒に濃密な時間を共有してこれたのは、本当に幸せなことだと思う。各地で出会った人達とはその短い出会いの時間の中で、一緒に走ってお互いに対する理解を深めあってきたし、同じ趣味の者同士なら、年齢や主義主張を超えて語り合いたいことが沢山あるものだ。気の合った人なら、過ごしたい時間が、いくらあっても足りないぐらいだった。

なのに振り返ってみると、記憶の中の膨大な思い出に比べたら、形として残っているものは、自分の作った車の写真や店舗ブログから気に入ったものを時々DLしておいた当時のレース風景などがほんのわずか。あのころ隆盛を極めていた各地BBSでのやりとりでさえ、店舗閉鎖やプロバイダ廃業にともない、今となってはweb上にキャッシュすら残っていない惨状だ。

当時はまさか、毎週末の熱く楽しかった日々が跡形もなくなるなんて想像してなく、それが永遠に続くと思っていたので、記録とかバックアップなど誰も力を入れてなかった。

これから先、今よりもっと歳を取れば私の頭も朦朧、記憶も曖昧になっていくだろうし、いつ突然にコントが握れなくなる日がくるかも分からない。いつかそうなった時でも、せめてあとで見返して「あの頃は本当に楽しかったなあ」と思い出を辿るよすがにしたい気持ちもあった。

そう思ったら、楽しく遊んだ経験を「ああ楽しかった」「いい思い出ができたな」なんて贅沢に記憶と時間の流れと気分に任せてしまうのではなく、やはり記録としてしっかり残しておきたくなった。スロットカーは走らせて遊ぶオモチャだから、やはり写真よりは動画のほうが相応しいという気がする。

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神戸Curouto亡きあと大阪Sakky's Collectionsは何度も訪問しているが、動画を撮るような機会はなかった。だから今年のSakky's訪問では、やはりこのコースで自分たちの走りを撮っておきたいと思っていた。

しかし行ってみたら今回は、ものすごい大盛況!ゆったり腰を据えて「どんなアングルがいいか・・・」なんて悠長にカメラを構えてるヒマは、到底なかった。

仕方なく、今回の大阪撮影は諦めた。これが最後でもないので、また次回。
もちろんサーキット走行のほうは、いつもどおりチャレンジングで大変楽しく走らせていただいた。

<当日の様子はコチラ>
【Sakky★Bossさんのブログ】
動画撮影のほかにも、私たち夫婦の今年のSakky's訪問テーマは、大きく2つあった。

1)
ウエイトなし100%純正で仕上げたFLYクラシックが、大阪Sakky'sのコースで通用するかどうか。

2)
ウエイトなし100%純正で仕上げたカレラDTMが、大阪でも楽しく走れるかどうか。

どちらも純正タイヤを純正プラホイールと接着してトゥルーイングしている。これは社外パーツを使わないでノーマグノーウエイトを楽しむには、基礎中の基礎となる調整だ。結果としては、どちらも快適に走らせることができた。

特に純正プラホ&純正ラバーのFLYクラシックがウエイトなしで、NINCO路面でハネたりもせず、まるでマグ車のようにスーッと吸い付いたように走る姿には、その場にいた全員が驚嘆!作った私自身も、これほどまで素晴らしい走りが可能とは期待していなかった。

5月に難攻Bandiniを走ったときも確かにいい走りだと思ったが、それでも大阪Sakky'sは神戸Curoutoの流れを汲むタイプの、立ち上がり加速からスピードの伸びまで重視する中級テクニカルコース。いにしえのCurouto仕様FLYクラシック、「ヘビーウエイト+足回り総Slot-it化」ならではの壮絶な走りを覚えているだけに、今回のそれは大きな感動を伴う体験だった。

<ご注意!>
・サーキットによっては理由の如何を問わず、一律すべて「タイヤ削ったらレギュレーション違反」と見なされます。
・レースで遊ぶ人は基本的には常に、いつも走っている場所のレースレギュレーションに従ってください。
黙って勝手に他の人と違うことをやると、レースは勝ち負けの遊びなのでモメゴトのタネになります。

今回の大阪訪問で予定していた動画撮影はできませんでしたが、新たな収穫もあった。比較的新しい常連のヨッシーさんとは何度か面識はあったが、一緒にクルージングしたのは初めてだと思う。

既にレースデビューも果たしているので、やはり走り方は安心感がある。久し振りに、ちょっと楽しかったな。やはりスロッター同士は、ただおしゃべりをしてるだけより、一緒に走りながらのほうが色々と伝わってくるものがあると思う。


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◆FLYポルシェ
日時: 2014.08.20@名古屋Slot Car Park
車種: Porsche 911【FLY】
仕様: ノーマグ、ほぼノーウエイト、純正プラホに純正ゴムタイヤ接着&真円出し。

スロットカー以外にも大阪・神戸で数日間のB級グルメツアーを堪能したあとは、帰りに名古屋へ立ち寄った。

今年はノリさんのSlot Car Parkが場所移転したので、新しいお店のお祝いを兼ねて、新コースを走りに行ってきた。まずはイガ師匠に、様子をみていただく。大阪では大混雑のため危なくてテストできなかった、例の「ほぼノーウエイト」のFLY911の走り。



いままでNINCOコースでFLYポルといえば、私はどうしても神戸Curouto仕様のヘビーウエイト+アルミホイールという印象だった。もちろん、Curouto仕様というのは走りのためだけのアルミ化ではなく、荒れた路面で激しいレースを続けるためマシンの耐久性を向上する必要から生まれたものだった。

そのCurouto仕様の走りをよく知っているだけに、「NINCOコースで少ウエイトのRRは絶対まともに走らないだろう」という先入観があり、大阪では混んだコースで皆さんの迷惑にならないよう、走らせなかった。ところが今回、名古屋のNINCOコースで初めて試した純正足回りの「ほぼ」ノーウエイト仕様でも、こんなにキレイに走れることを知って超ビックリ! まともに走らないどころか、そのあまりにも素晴らしすぎる挙動に感動し、編集はスローモーションを多用してしまった。

もっとも、イガ師匠は超ベテランの911マイスターなので、誰でもこういう走りができるとは限らないが。。。

イガ師匠のコメント
「うん。今回のコースは、前よりナカナカいいんじゃないの〜」

・・・どこまでも、師匠ならではのコメントだ。
ノリさん、すまぬ。。

まあ旧SCPコースのサブマリン部分など、本家バルセロナPalauのコースもご存じな師匠だけに、軽〜いお言葉使いの中にもやはり独特の深みというか経験の重みを感じる。しかし、たぶんイガ師匠にしては最大級の賛辞。かなりお気に召されたご様子だった。
ノリさん、よかったね!


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◆カレラDTM
日時: 2014.08.20@名古屋Slot Car Park
車種: BMW M3、Audi A5
仕様: ノーマグ、ノーウエイト、純正プラホ+純正ラバー接着TR(2)

次はノリ店長によるチュートリアルで、私と一緒に走っていただく。



大阪でも快適に走れたカレラDTMは、ここ名古屋でも気持ちよく走ることができた。

あと、さすが名古屋だなと思ったのは、早くもノリ店長のカウンターに3Dプリンタ出力のカレラDTM用Slot-itシャーシが置かれていたことだ。ABSライクの実物を見たのは私も初めてだが、ご厚意により実際に触らせてもらうことができた。じっくりとイジリ回してみた結果、素材の強度やフレックスも実用上は全く問題なさそうと感じた。またSlot-itらしい心遣いもアチコチに追加されていて、レース指向の強い設計になっている。今後タイヤが消耗して足回りがダメになった時に、再び純正で作り直すか、このSlot-itシャーシを使ってアングルワインダーで作り替えるか、選択肢になりそうだ。悩みの核心は、何でもかんでもSidewaysみたいな走りになってしまうことへの懸念だ。Flat6というモーターの、個性が強すぎるのかもしれない。

今回の名古屋訪問では、意欲的に新しい素材に取り組む姿勢がいかにも名古屋らしいなと感じた。Slot-itのデジタルコントが出たときもそうだったが、やはり話題の新製品にイチ早く、実際に手を出してみるのは名古屋人。いつも運良くそういうタイミングで名古屋に立ち寄ったりするので、私も新しい知識を実物で補強できるのは大変有難いことだ。海外からの情報だけならネットで早くから知っている人も増えたが、やはり実物を手にとって確かめるのとは違う。いくらバーチャルな世の中でも、そういうリアルの部分を抜きでは語れないアナログ趣味の世界で、出会った方々と一緒に楽しさを分かち合ったり、驚きを与え合ったり、リスペクトを抱き合ったりして、長く楽しんでこれたのは本当に幸せなことだと思う。

今年の夏休みも、そういう新たな発見や経験・体験を夫婦円満の糧にすることができた。そしてまた、一緒に遊んでいただいた皆さんには今年も感謝している。

2014年8月7日木曜日

最近の到着品など。

また新たな不人気カテゴリを探して、他の人がやらなそうな苦労のタネを買い込んでみた。純正アクスル&タイヤの地獄コンビがなかなか手ごわい、カレラだ。

こないだ手に入れた2012年型DTMの走りが予想ほど悪くなかったことに気を良くして、同様のカテゴリとしてGT500を増車。DTMの車両規定を導入する前の2008年型GT-Rだから、車体やウイング形状も違うが、好きなものは仕方ない。ずっと買いそびれたままだったのを、2台セットで発見したので購入。

しかし、やっぱり勿体なくて走らせないかも。もとい、浮気してないでDTMをもっと走らせて熟成させないと。

そしてNbF夫婦といえばハズせないノーマグF1のお題として、2013年型の最新カレラF1。

ノーマグカレラは、どんなに苦しくても可能な限り純正タイヤのまま走らせるのが今年のマイテーマ。
とはいえ、やはりアタマの片隅には「どれほど仕上がっても、所詮はカレラ」という意識があるのも事実。カレラのF1は、特にそう。

突き詰めて考えると不満だらけで嫌いになるので、ウエイト配分ほかシビアな調整に頭を悩ませたくない。だから今のところはノーウエイトのままで走らせている。タイヤが育つことを信じて、ただ黙々と、ひたすらに走り込むのみ。ウエイトなしで走らせても無用にハネないところだけは、カレラコースの美点だ。

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他には、ぜんぜん手ごわくない趣味のアイテムもいくつか入手した。

こちらは、かなり昔の到着品だが発売と同時に本国オーダーしたSideways限定品の935-78サイケ。

最凶にカッチョイイが、走らせる気は全然なし。走らせる車ばかりでなく、たまにはそういう買い物もしている。
あとは、今の旬といえばScaleautoの935-77と935J。

これもFLYの935K3あたりと同じ普通のサイドワインダーなので、走りは充分に想像がつく。まあ急いで開封する必要もないか。。同じGr.5とはいえ、どうせSidewaysと一緒のペースでは走れないだろう。

いつかFLYのGr.5が脚光を浴びる日が来れば、一緒に走ってみるのもいいかも知れない。
こうやって、今すぐ走らせなくても購入しておくのは、すべて老後の楽しみと思っている。

2014年7月2日水曜日

先週のデータ取り:スケレ70年代F1と、カレラDTM

◆スケレ70年代F1
日時: 2014.06.28@千葉SRC
車種: McLaren M23、Ferrari 312T2
仕様: ノーマグ、ウエイト適当、純正アクスル+Slot-itアルミ+S1(2)

しばらく前からSRCのカレラコースで、どんなカテゴリが、どんな仕様だと「らしく」走って遊べるのか、色々なデータ取りをしていた。



私は32スロットカーをやっていて、速く走らせることが全てとは全然、思わない。速さ重視なら、そもそも32完成車で遊ぶより速いものは、いくらでもある。

私は32完成車の世界というのはそれよりもっと奥深いゴッコ遊びだと思っているので、せっかくF1を走らせるなら、他のハコ車とは明らかに違う挙動をさせたい。いつも、そんなことを考えてクルマを作っている。F1ならモータースポーツのトップカテゴリーにふさわしい難易度と、操縦がキマッたときの気持ちよさを両立させることができたら最高だろうなと思う。

     

これは6〜7年前の港北ミナモ時代から、ずっと夫婦で走り続けてきたスケレの70年代ノーマグF1。

純正タイヤは摩耗しホイールは何回も割れたが、昔はスペアパーツが入手しやすかったので純正交換していた。オープンホイールの宿命で場外に転落してウイングも折れたり割れたりしたが、それは何度も樹脂や金属でリペアした。

修理できなくなるほど何回もアームが折れたフロントアクスルは運良く入手できたスペアと交換した。今では純正リヤアクスルのシャフト両端のギザを削って、入手しやすいSlot-itのアルミとタイヤに交換してしまった。それでもまだ現役で走らせている。人間で例えれば、骨折だらけでボルト入れまくり、満身創痍のヨボヨボじいさんという感じだ。

いいかげん新車でキレイに作り直したいが、今ではこの2台もオークション相場では気軽に手が出せない値段になってしまった。

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◆カレラDTM
日時: 2014.06.28@千葉SRC
車種: BMW M3、Audi A5
仕様: ノーマグ、ノーウエイト、純正プラホ+純正ラバー接着TR(2)

世界中を見渡しても、カレラコースでカレラ車両を走らせて盛り上がっているところが無いのは不思議なことだ。しいて言うとドイツは、やはり本国だけあってデジタルとか多少の盛り上がりがあるようだが、ドイツ国内では他のヘンな規格もいまだに生き残っているので、やはり本国でのカレラ事情はちょっと特殊と思ってよいだろう。第一、盛り上がっているといってもノーマグノーウエイトに純正タイヤのままで大人が楽しく走っているという話は、さすがに聞いたことがない。
聞いたことがないだけで、どこかにはあるのかもしれないが、大体ドイツというのは32よりプラフィット24のほうが強い国だ。

イキナリそう言ったら語弊があるかもしれないが、カレラ車両に対する世界的な認識は、マグ付きかインディグリップ、あるいはリヤ総とっかえ。そんな感じではないか。少なくとも私の経験では、カレラ車両の磁石を抜いたら、純正アクスル純正タイヤのままではどうしようもない印象だった。

しかし去年SRCで素晴らしいカレラコースを知ってからは、いつかカレラ純正タイヤでじっくりカレラコースを走り込んでみたいと思っていた。

私はBMWファンでも何でもないが、ある日とつぜんDTMの白いアナログM3が欲しくなって探し始めた。M3の国内在庫は殆どのお店が黒のデジタル。今回はヤフオクや東雲で精力的に活動されているグロアップさんから、アナログのカッコイイDTM車両を購入した。



前後タイヤとも、まずは接着&トゥルーイング・・・で上の画像は1回目。
あまりにも気持ちよく粉になって削れるタイヤを、削りすぎてフロントサイドのレターを消してしまった。

イガのA5は問題なく仕上がったが、私のM3のほうは、ホイールのセンターリブが露出するほど削れてしまい失敗。走りに影響なくてもプラホが路面と当たってガーゴーうるさいので、仕方なく世界中の在庫を探し、USAからM3アクスル&ハンコックタイヤを仕入れて、再び削り直した。

削り直した純正タイヤで走ったノーマグノーウエイトカレラDTM(とNINCOの997が伴走)の動画が、こんな感じ。

     

まあ「カレラだから、こんなモノ」と思って走らせるなら、さほど大きな失望は感じないと思う。私には本物のDTMらしい、全然ロールしてるように見えないアイロンのような挙動が気に入っている。

新車を簡単にパーツ交換しないで、まずは純正の可能性と限界をいろいろ探ってみるという遊び方が、今年のマイテーマ。そんな自分への厳しい試練としては、カレラは最適だ。ただカレラで惜しいのは、国内にアクスル&タイヤ在庫が少ないことだ。

まあカレラをノーマグノーウエイトで走らせようという時に、インディほか社外タイヤが沢山あるにも関わらず、頑なにわざわざ海外から純正アクスル&タイヤを輸入して何回も作り直すような変人は、世界でも少数派か。夫婦そろって「簡単によく走るクルマだと超ツマラナイ派」なので、こればかりは仕方ないことだ。

ただ何度も言っているが、私たち夫婦の走りだけを見て、私の真意を知らぬままノーマグの車作りだけ真似をしても、ちっとも楽しい車にならないので、本当にやめたほうがよいと思う。
他人とレースをする人には、向いていない車作りだ。速さを求めているわけでは全然ない。

他人のレース車両まで全て性能を揃えて作れるような達人なら、私が何を言ってるか分かるかもしれない。私のやり方は、速さのためではなく気持ちよい走りのためだけに、お金よりは膨大な手間をかけているだけだ。

いまは色んな社外パーツが豊富に出回っている恵まれた時代。だから買った車がちょっとでも走りが悪いと、すぐパーツを交換してギンギンのチューンドカーにすることは、むしろ簡単。

しかし、まずはパーツや磁石なんかいじってないで自分の腕を鍛えるとか、純正部品のままでも調整を工夫してみるとか、私は1/32のスロットカー遊びというのは、そういうのが本筋だと思っている。はっきりいって、古い人間だ。でも、もっと古い頑固な先輩から見たら私なんか、かなり「軟らかい」ほうだ。

モノでも人でもすぐに「使えない奴!」とバッサリ切り捨てる社会より、もっと対話できる社会のほうが幸せなんじゃないだろうか。最終的には諦めてサジを投げるとしても、やはりそれなりにアレコレやってみなきゃ深いところは分からないと思うし、そこまでトコトンやりきるには、ある程度の時間だってかかるものだ。

しかし時間をかけて付き合っていく過程で、自分も何かを発見したり教えられたり気付いたりすることだってあるし、ヒトやモノとのそういう向き合いをたくさん積み重ねることで、自分より外側の世界に対する理解や愛情がより広く深くなっていくのだと思う。

私は、そういう人間だ。

2014年6月14日土曜日

先週の3人。

日時: 2014.06.07@千葉SRC
車種: Porsche 908
仕様: ノーマグ、ノーウエイト、純正プラホ+さかシリ(1)、純正プラホ+純正ラバー接着TR(2)。

正直いってFLYクラシックは、恵比寿が閉店して以来まったく走らせていない。このカテゴリーはレースというよりゴッコ遊びだから、気の合う大勢の仲間と一緒でなかったらツマラナイ車だと思っていたからだ。

去年末にタイヤトゥルアーを手に入れ、たまたまクリスマスプレゼントにFLYキットの908をもらった。それで製造ラインのおばちゃんの代わりに、今の自分の技術でイチから理想のFLYクラシックを組んでみたくなった。

完璧に設計どおりの純正を目指して、ボディの組み立てには接着剤を使わず全て焼き留めで。フロントの独立アクスルはホイールをとめる軟質樹脂のピンがゆるむのを嫌って、オイルすら使わない完全ドライで。いつまでもクニクニやってるとピンが曲がるしハメ合わせも緩くなるので、ホイールにピンを刺す前に、まずは精神統一。エイ!、と気合い一発フロントホイールにピンを刺したらクリアランスは、クイクイっと1発2発ぐらいでキメ。


完成してみたら、大勢でゴッコやらなくても気持ちよく走れる車になった。45年ほど昔の軽いスポーツプロトなら、こんな走り味だったかもな・・・と当時の実車を偲ばせる挙動だ。

FLYクラシックのポルシェ908、いつもの時間帯のいつもの3人、クルージングの風景を撮ってみた。今回はカメラを手持ちでなく視点をFIXにして、定点カットをあとでつなぎ合わせる練習。

     

2014年6月7日土曜日

先週のレーシングスクール。

日時: 2014.05.31@千葉SRC
車種: Porsche 911
仕様: ノーマグ、F小ウエイト、純正プラホ+純正ラバー接着TR(3)。

FLYポルシェ911でのチュートリアル風景を撮ってみた。

まったりペースで走っていてもFLYポルシェは実車同様のRR。だから頭で考えながらスポーツドライビングを練習するのに丁度よい。

スローモーションのリプレイは問題発見と改善に役立つかもしれない。

     

2014年5月26日月曜日

先週のNbF。

日時: 2014.05.24@千葉SRC
車種: Porsche 917K, 908スパイダー
仕様: ノーマグ、ノーウエイト、純正プラホ+さかシリ(1)、純正プラホ+純正ラバー接着TR(1)。

今回イガ師匠には、カメラマンをやってもらった。
私は生まれて初めて、MacBookProのiMovieを起動してみた。
いままでiPhotoすら使ってない原始人だったというのに。。。

いまのSRCは、こんな感じだ。

     

広いサーキットなのでスピードが分かりにくいかもしれないが、これでも直線ではモーターが完全に吹け切っている。
ガードレールの少ない平面的なレイアウトのおかげで、大変のびのびとした走りを楽しむことができる。

あとはせめてコースの台に鮮やかなグリーンのカーペットだけでも敷き詰めてくれたら、言うことないのだが、まあ他人所有の個人サーキットだから仕方ない。
他人が用意してくれたものが、何から何まで理想的ということは、まずないものだ。



スロットカーの動画を撮り始めたが、しばらくは修行が必要だ。
youtubeにチャンネルを作ってみた。

https://www.youtube.com/user/NightbirdsFly/videos

2014年5月23日金曜日

先週のイガ師匠。


日時: 2014.05.17@千葉SRC
車種: Porsche 911【FLY】
仕様: ノーマグ、ノーウエイト、純正プラホに純正ゴムタイヤを接着してトゥルーイング。
 


いや、よく考えたら100%完全にノーウエイトとは言えない。
RRの911には発進時のノーズアップ緩和のため、ガイドポストとフロントアクスルの間に小さいウエイトを乗せた。

リヤのトラクションを稼ぐためのウエイトではないので勘定に入れていないが、100%完全なノーウエイトではないことを、ここにお断りしておく。

2014年5月13日火曜日

第二章、始まる。

2013年の冬から、千葉は酒々井のSRCというプライベートサーキットで走っている。
http://blogs.yahoo.co.jp/r35z33nismo

SRCはショップではなく個人が趣味で主催しているクラブサーキットのため「一見さんお断り」ということのようだ。上記Y!ブログからオーナーさんに直接連絡を取ってみるのがよいだろう。
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SRCはカレラの広大なサーキットだ。いままで私はカレラのコースを走っても、特別に気持ちよいとかいう印象は全然なかったが、SRCで走り始めてからは認識を大きく改めた。

とにかくここは、走りやすいことが何よりも素晴らしいと感じる。

走るための環境として、ガイドがひっかかったりつまずいたり予期せぬ前転や横っ跳びなどしないで、ウッドコースとほぼ同じような快適さで気持ちよく車を走らせることができる、という意味だ。カレラのコースパーツは、そういう設計になっている。

巨大なサーキットで車の性能をフルに出しきって思いっきり走りを堪能できる、そのこと自体の爽快感がある。しかしコーナーをギリギリまで攻める難しさは、環境的な走りやすさとはまったく別の次元の話。

総延長は約60m。決してタイトに詰め込んだインフィールドではなくこの長さがあるので、かなり大きなコースだ。20〜25Kクラスのモーターでも吹けきる10m程度の長いストレートが奥に2本あり、ジャンピングスポットやシケイン、スネークのRがほどよく連続するリズムがよい。

(※このphotoは旧レイアウトで、現時点では上記説明のようなレイアウトになっている。)

いままで大嫌いだったスネークが、ここSRCでは気持ちよいリズムを生んでいる。ここで練習したおかげで、5/10@BANDINI再出発レースでのスネークも楽しむことができた。あそこではさんざん抜けて苦しんだが、それとは別の次元で楽しさはあった。あれは、変拍子なんだろうな。

SRCを走るなら、たいていのクルマはノーマグ&ノーウエイトで充分。もちろんノーマルホイール&タイヤであればトゥルーイングが非常に有効だ。

昔からカレラコースにはIndyをはじめとするシリコン系タイヤが相性よいが、スケレやFLYの純正ゴムもかなりイケる。私はシリコンよりは、こっち派。去年末にタイヤトゥルアーを手に入れてからは特に、FLYの純正ゴムのポテンシャルには正直、ものすごく驚いている。

Slot-itの「Fコンパウンド」はFLYのFだと思っている。熱が入ったときのガム化する感じがFLYのゴムにそっくりだ。しかし、誰も言わないが実はFLY純正ゴムのほうが高バランス高性能だ。

今は亡き「さかシリ」に負けてないどころか勝っている、と言ったらどれほどスゴイことか、分かる人には分かるのではないだろうか。

もちろん誰もが簡単に、とは言わないが、さかシリ級の超グリップタイヤに勝とうと思ったら常に、ちょっとしたコツが必要だ。いまや「さかシリ」=「ヘリテージ」を知っている人も減ってきたが、今で言えばMaxxTracとかライデン級という感じか。
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ある日そんなSRCでFLYトラックを走らせて遊んでいたら、とうとう私の9年物SISUの、フロントホイールのハブが粉々に砕けてしまった。今までマスキングテープや糸でぐるぐる巻きにして瞬着で固めたりしながら修理しダマしダマし延命を続けてきたが、とうとう粉になってしまってはお手上げだ。

長年使ってきたこのホイールに合わせてせっかくアタリの出てきたタイヤも諦めて、パーツ交換をする。ヤフオクで探してみたら、ootayaさんにあった。SISUのフロントアクスル。

その取引連絡で太田親分から「久しぶり!こんど5/10にバンディーニサーキットとして再出発レースをやるから、よかったら来てよ」とのお誘いが。

いただいたFBアドレスを覗いてみると、元々Bandini路面店だったほうをサーキットにして、その名もBANDINI VECCHIO CORSO、という。
https://www.facebook.com/BVC.AVANTIME?fref=photo

新たに再出発するサーキットの名前を、わざわざ「オールドコース」とはね!32スロットの老舗Bandini以外では、なかなかこれは名乗れないよなあ。。しかし、そこには太田親分の意気込みもやはり、あったのではないか。

そう思ったら、確かめずにはいられなくなった。待ってろよ、富士山!
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大変お日柄の良かった5/10(土)、SRCの鈴木オーナーと一緒に聖地へ行ってきた。浦安で待ち合わせ、鈴木オーナーのファーストクラス・プライベートジェット4輪にて。道中、オーナーいち押しのYAZAWAライブDVDを爆音で鑑賞しつつ。あっという間に2時間ほどで到着。


さっそくコースを検分する二人。「ふんふん、なるほど。。1コーナーは意外とスンナリ鼻が入ってくれそうだな・・」「お、ここのスネークは見た目と違って一筋縄ではいかなそうだぞ・・」


とりあえず普段のパーマ3ピンコントがブレーキ無し2ピンで使えることが分かりホッとする。この時点では通電確認程度でまだコースを攻めておらず、全員こんな余裕の表情が。

さて、走らせてみるか。どれどれ・・・。

板「あちゃー!あんなところでもハズレるぞ。。」
鈴「しまった!また、やっちゃったー。。。」

だんだん笑顔が消えていく二人。

すっかり真剣モード。

追いかける!

こんな感じで。LINE動画は、画質がえらい荒い。赤が私、白が鈴木氏。


しかし、キビシー!
こっちは普通の携帯カメラ動画。Bandiniはブレーキ回路がないので、長い直線でいい気になって調子に乗っていると1コーナー、いきなりのヘアピン突っ込みは恐怖以外の何物でもない。

コース脇にはピックアップ用のマジックハンドがあった。間違いなく、これの出番があるな。。
・・・うっ、掴んだらそのままロックしやがったっ!
このタイプは確かグリップの上にスライドロックがあってね、たまにロック側になってたりすると握ったときに・・・なにっ、スライド部品がそもそも無いだとっ!(ちゃんとひらいて戻しておきましたよ)

いくら真剣な顔をしたって、ちょっと流してみた程度ではとても攻略できそうにない。これはもう、お手上げやでっっ!いっそ悪あがきは、ヤメじゃい!

そんなことより、せっかくの聖地訪問だからコースの記念撮影しておこう。





だいぶ陽も傾いてきたな。。腹へってきた、なんか食べにいくか。はま寿司で腹を膨らませたあとは、お茶をしに一路、近所のアピタにミスドを発見し、向かう。

さて、そのあと約束の20時までは、あっという間。いよいよ、新生Bandiniの2014年シリーズ第一戦が始まる時間だ。

AVANTIME 2014 Round.1「70’s LEMAN」
レースディレクターは、べるらん大佐氏。

まずはエントリー順で予選開始。太田親分が1番手。うっかり2番手は私。なーんも考えてないでエントリーフィー忘れないうちにと早めに払ったらそのままの順で私・イガ・鈴木氏と、いきなり千葉SRCチームが続いてしまった。

・・・ま往々にして、よくあることだ。心の準備ができてないのに他流試合を始められてしまう、なんてことはストリートのケンカで慣れている。

予選後は、レース開始前に参加車両のラインナップ撮影タイム。
見よ、聖地に相応しきこの壮観!


キッカケはSISUのフロントホイールが砕けたタイミングが良かっただけとはいえ、たまたま新生Bandiniの第二章、その最初のレースにいま私が一番大切に思っている二人と一緒に立ち会えたことは、やはりスロットの神がいるのかと感じる。

Bandiniの皆さんとのレースは、非常に素晴らしかったと思う。一緒にレースを走ったときも、マーシャルをしているときも、楽しい思い出になった。

他所の年間シリーズ戦をジャマしているのだという緊張感は全くなく、ただただ攻略が難しいコースに対する緊張感だけを感じて走った。毎周ごとに自分との戦いだったが、その課題は最後まで克服できないまま、あっという間に私のAメイン120周レースは終わってしまった。

本当に、素直でないコースだ。それだからこそ、燃える。難しければ難しいほど、克服できた時の達成感はさぞ大きいことだろう。

それでこそ、聖地Bandini。男が挑む山は、峻険であればあるほど、よいのだ。そんな気分にさせるコース、他にはちょっと見当たらない。