お盆休みのシーズン、私たち夫婦は神戸で過ごした。いつも立ち寄る大阪のサッキーズサーキットは、大盛況だった。
イマドキのSNS時代、お店側から継続的に、毎日とにかく情報を発信し続けるというのは本当に重要。デジタルの世界でも地道な商売努力の積み重ねは、検索結果のSEOに効いてくるものだ。
私たち夫婦は今回、またしても旅行を存分に楽しみすぎ、ぜんぜん写真を撮っていなかった。そんなときでもスロットカーの遊び場だけは、ご友人がしっかり押さえてくれているのは助かる。自分の代わりに、たとえ僅かな断片であっても他人様が思い出を残して頂けるというのは幸せなことだ。そうやって、私たちをひたすら遊びに没頭させてくださった皆様には感謝しかない。
東京へ戻ると、楽しかった旅行の思い出がすべて人まかせというのもチト後めたい気分を感じ、大阪に持っていった車両ラインナップの一部ぐらいは・・・と思って、自己撮影した。
かわいいカラーで人気が高く、今では世界的に在庫僅少で高価になってしまったHertz。そして銀無地を自家製デカールで仕上げた、どこにも売ってないAtego。初めての記念撮影。おっと!Hertzの網戸は、このあとちゃんと修理。
こちら、スケレのバスではなく昔懐かしき、クルサのレジンバス。スケレからは出来のよいインジェクションRTRが発売になったが、微妙に線が細く、小さめ。それを見て「ならばモチベがゼロを下回らぬ今のうちに・・・」と自分に鞭打ち、一気に製作。
スペイン製レジンキット華やかなりし時代の遺物は、ほんの数年前のものにも関わらず、もはや歴史を感じるほどの存在感だ。赤車の運転席ミラーが折れているが、こちらもあとで新しいミラーを作り直して修理ずみ。
あちこちのサーキットで、Uniroyalの白&赤ばかりカブって見分けがつかなくなるFunCup。いいかげんに業(ごう)を煮やし、バスで余った塗料とあり合わせのデカールを使って一晩で塗り替えた。
走らせにくそうなイメージで食わず嫌いだった917/10。少し手間を掛けるだけで期待以上によく走るところは、スペイン製品ならではの愛されポイント。
RPEで購入した何台目かのデイトナ。RPEが2007閉店だから、もう10年も経ったのか。このコンビは同じ棚で上下に並んでいた全く同じ兄弟車。片方のみグリーンに塗り替えた。元々このグリーンは、つい最近まで1度たりとも白に勝ったことがない、宿命的な超ハズレ車だった。スロットカー遊びでよく見られる悲劇であり。人生とは、運命のイタズラで成り立っている現実だ。
悩み苦しみ、何度となく諦め投げ出し放置しては、再びコツコツと調整を続けてきた。そうやって10年ほど走らせ続けていれば稀に報われることもあり、そして更に愛着が増す。
E30のM3はRPE当時、マグ車レースの激しいシリーズ戦でガチャガチャに全損した放置車両だった。昨年だったと思うが、サッキーさんのM3レギュレーション研究車のマルボロを目にして「そういや、うちにもM3あったな」と。
新車を下ろさず、思い出深いジャンク山から10年ぶりに発掘し、ノーマグ車として純正レストア。そのとき外装も両方、ありあわせのデカールを使って、少しだけ手を加えた。
サッキーズのM3レギュレーションでは、リヤタイヤがN22指定らしく。
地元のレース車両と一緒に流してもらうと、確かに純正タイヤは横グリップに不足を感じる。
でも長く遊ぶなら純正でいいや。 N22は、いわば麻薬だと思っているのだ私は。いくら走っても路面にラバーが乗らないNINCOコースでN22ばかり走らせていると、いづれコース上は削れたゴムカスだらけになり、普通のタイヤでは全然グリップしなくなって、もうN22以外のタイヤでは走れなくなるだろう。もっとマメにコースを清掃しなきゃいけない。
E46のBMWは昔RPEで3台セットの特価品を買い、マグ車ドリフトとかいってテールを振りだしコーナーの外壁にあてて遊んでいたような時代からの愛用品。世界的に不人気なところも気に入っており、数年前にノーマグで純正レストアしたFLYの4ドア320だ。電線がハリガネのように硬くてボディのロールに差し支えるシャーシマウントの純正ライト基盤は、片方のLEDが点かなくなった時点で捨てた。ライト好きだから勿体なかったが、基板上の焼損した抵抗を交換するほどの情熱はなく、またZ-Machineなどの汎用LEDキットも世界的に払底していた時期だった。
とにかくモーターさえ普通のFC130缶18kに交換すれば素直なハンドリングで飽きがこない乗り味で、実車のBMWによく似せた車だった。こういう、なにげない不人気車でも実車の走りを意識したような感じで作り分けをしてくるところなんかはやはり、さすがFLYだなと思う。惜しむらくは、世界中にそのメーカー側の思い入れというか作り分けが理解できる人が少なかったのだろう。
泣き所は純正タイヤ接着トゥルーイングがやりにくい、スポークが折れやすく華奢な純正プラホ。
過去何度も回転トルクに負けてハブごとネジ切れ、ゴソッと中心が抜けた。そのたびにわざわざ世界中を探し回って海外から純正アクスルなんかを取り寄せるときの馬鹿らしさというか、それはもう相当にやるせなく切ない思いだ。世界的にスペアパーツも払底してきたので次にまたセンターが抜けたら、アルミに交換するか放置車両になるだろう。
これも最近あちこちで初期ロットの水色や白ばかりが増え、カブって区別つかないMG-B。ほんと大人なんだから、カブったら塗り替えようよ、、と他人に言うだけでは説得力ないので自ら率先。
ある夜、ストライプも落とさないで正真正銘スケレ純正の水性塗装の上に直接いきなりタミヤのエナメルを筆でペタペタ塗りはじめたら手が止まらず、これも一晩で仕上がった。このぐらいのサイズなら筆塗りでも充分だろうと思い。
古いロータスセブンは、大和組のベテランが走らせにくそうにしていたのを見て興味が湧いた。で、2台を輸入し走ってみたら本当にケータハムとは全然、別物のハンドリング。
さすが背中に背負ったスペアタイヤは、ダテじゃないぜ。これから気長に仕上げていくのが楽しみ。古めかしく、それでいてセブンらしい走りを模索したい。
世界的に不人気な、AUTOartのスロットカー。営業サーキットでマトモに走っているAaの996なんか、まったく見かけたことがない。私も10年前に買ったときは全然うまく走らせることができず、尻尾を巻いて降参した。
今年になって腹を決め、再び新車を2台仕入れて、ようやくリベンジを果たすことができた。もちろん100%純正そのままでは箸にも棒にも掛からないが、ちょっと手を掛ければ今では天国を味わっている。ギヤの音を除けばFLYの911と同じぐらい気持ちよい走りといえば、モノが分かる人なら驚愕するだろう。
そして、よく引き合いに出されるFLYの名作911。2000年代スロットカーの金字塔といって過言ではない、誰もが認めるエバーグリーン。なにより、ちゃんと仕上げればちゃんとRRらしいハンドリングになるところが驚嘆に値する。
ただ難点はシャーシの寿命というか賞味期限が長くないので、もう何回作り直したか憶えていないほどだ。
同じスペインのメーカーが911をモデルアップしながら、これほど違う解釈なのが面白いNINCO。バネ付き車両は、呼吸が軽くなるような爽やかで優しい乗り味だ。
昔はバネサスを殺してまでスピードを求めたこともあったが、いまは柔らかいバネの軽快さ重視。それどころか、白のマルティニは思い入れがあってラリー車らしさを強調したく、純正より更に車高を上げている。ワイパもエッチングに交換した。おもちゃチックな外観のせいで、ぜんぜん気付かれないのが残念だが。
そして、転ばない速度の範囲内で楽しめばよいのだ。こういう車でコンマ何秒を攻めたって仕方ないよ。
NINCOの不人気車、ロータスのエクシージ。これも日本中の営業コースでは、あまり見かけない。前輪が大きくサンドバギーのような外観があまりにもカッコ悪いので、禁断の幅詰め&インチダウンを敢行。
しかし純正モーターはクイックでもなく、トルクも細めで中途半端。そういうのがロータスらしい気もするが、Exigeといえば元はスポーツエリーゼの血統だ。そう考えると、オモチャとはいえ、この走りではチト寂しい。
FK130缶というのは、よい代替品がないクラスだから、気長にアップデート計画を考えよう。
最後は、シャーシ&アクスルを3セットぐらい作り直しているFLYのウィリアムズ。車体は軽く丈夫で、何度コース外に飛び出して床に落下しても軟らかいバルーンタイヤのおかげでトカゲのようにフワリと着地、意外と無傷だった。しかしギヤの構造が泣き所で、ゲンコツ型のプラピニオンがナメやすい。リヤアクスル受けも弱点といえる。
最高の状態が長続きしないため、繊細な調整を繰り返し、調整シロがなくなったらシャーシごと交換。セッティングが決まっている間の鋭い走りは他の何物にも代え難く、まさにカミソリのよう。そんな走りが大変気に入っており、フロントウイングが折れたぐらいでは、とても捨てられない。
何度も修理しているが、樹脂成形品は一旦折れると何を使っても元の弾性靱性は戻らぬもの。仕方なく、フロントウイングがあってもなくてもよかった82年F1のイメージで塗り替えた。こういうことをやると、ROMラーが多いスロットカーの世界では、あちこちでフロントウイングのない82年イメージのF1が流行るかもね。とはいえ、今のところ賛同者の気配はゼロ。みんな箱車のどれも同じような走りに飽きており、本当はノーマグF1をやりたいのだろうが、走らせるのがチトつらすぎるようだ。ぜんぜん見かけない。私にもう少し人徳があったら広められたかもしれないが、残念。
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